東京マルイ ガスガン V10 ウルトラコンパクト

東京マルイ ガスガン V10 ウルトラコンパクト

東京マルイのガスブローバックガン、V10 ウルトラコンパクトをレビュー

実銃のV10 ULTRA COMPACTは米国スプリングフィールドアーモリー社が1990年代半ばに発売した3.5インチバレルを装備したサブコンパクトクラスのカスタム1911。
実銃の詳細は以前に2度レポートしているので本ページ下の関連リンクからご覧いただくとして、ついに発売された東京マルイのガスガン、V10!! いやぁ、待ちに待ったモデル。ここ最近、マルイはグロック19を発売したりと、コンパクトオート好きにはたまらない展開だ。
実銃はすでに絶版となっているが、根強い人気のモデルなので、是非ともここは手に入れておきたいという事で、今回もフライングスクワッドにて購入した。

パッケージ
パッケージがまたカッコいい!! ブラックを基調としてシルバーが箔押しされた渋いデザイン。パッケージサイズは縦30cm x 横19cm x 高さ5.5cm。

パッケージ内容
オープンすると、これまたカッコよくV10と付属品が収まっている。
パッケージ内容は V10本体、マガジン、マイクロプロサイト用ベース、マイクロプロサイト用ベースカバー、保護キャップ、取説、注文書、クリーニングロッド、BB弾少々。

V10 サイドビュー 左
実銃は僅か10年足らずで絶版となってしまったが、その期間にいくつかのバリエーションが存在するV10。マルイがモデルアップしたのはその中でもブラジル生産フレームを採用し、2000年頃に販売された後期型だ。

V10 サイドビュー 右
3.5インチクラスのサブコンパクト。キャリーガンとしても人気のサイズ。

スライド、フレーム
スライド、フレーム共に樹脂製ながら、丁寧に仕上げられた高級感ある外観。キリッとエッジが立っており、もはやトイガンであることを忘れてしまうほどに美しく、リアリティに満ちている。

仕上げをあえて変える
スライド側面と上面の仕上げをあえて変えるなど、随所にマルイのこだわりが感じられる。
サムセフティは左側のみ。スライド右面には実銃ではSFAのメーカーとロゴマークが入っているがマルイは版権の都合上刻印は無し。ダストカバー側面にはブラジル生産であることを示すFI BRAZILの刻印。

チャンバー
チャンバー刻印もリアルに再現している。クローズアップするとわかるが、スライド上面はザラツキの強いグレーで、側面は半艶消しシルバー仕上げ。フレームも同様に下面やトリガーガードがシボ加工されている。スライドのセレーションの溝もザラツキ加工されるという細かさ。

トリガー
グルーブの入った3ホールトリガーは金属製。トリガープルは700gほど。ワンピースグリップのせいか、ややトリガーまでが遠く感じる。トリガーガードにも刻印が入っているこだわりよう。

マズルフェイス
スパっと切り立ったマズルフェイス。そしてスライドトップに見えるエギゾーストポート。シビれる。

ホールドオープン
V10の魅力、それはこのホールドオープンのスタイルにある。独特のコーンドバレルにスライドが噛み合う斜めのラインもリアル。インナーバレルは目立たないように黒メッキされている。

10個のエグゾーストポート
バレルに入った10個のエグゾーストポート。これがV10たる所以。実銃では発射ガスをここから上方へ排出し、反動を抑制する効果がある。

ハンマー周りの造形
マルイのV10もうひとつの魅力がこのデルタホールハンマー周りの造形。別パーツのクローム調エキストラクター、ちょっと奥まっているがファイアリングピンも上手に再現されている。ハンマーを起こした時にはまるで実銃を構えているかのような緊張感がビシビシと伝わってくる。

フロントサイト
フロントサイトはスライド一体の樹脂製、リアサイトは別パーツの亜鉛ダイキャスト製。ホワイトドット等は入っていない。
リアサイトはNOVAK社の正式承認を得ており、左側面に刻印とパテントナンバーが入る。ただ、実銃のV10に装着されているものに比べてずいぶんと背が低く、エアガン用にアレンジされていると思われる。

グリップ
グリップはHOGUEのワンピースラバーグリップを模しているが、マルイのそれはプラ製でラバー塗装仕上げとなっている。グリップは小指まで握りこめるギリギリの長さがある。メインスプリング・ハウジングはストレート。グリップセフティはもちろんライブだ。

テクスチャ
マルイのオリジナル刻印がグリップ中央に入っている。テクスチャはラバーと見まごうばかりのリアルさ。

実測重量はは707g
空のマガジンを装填しての実測重量はは707g。コンパクトながら重量感はなかなかのもの。

通常分解
通常分解。分解方法はマガジンを抜き、スライドを少し後退させて半円の切り欠きにスライドストップを合わせて抜けば、スライドを前方へ引き抜ける。リコイルスプリングを取り外し、リコイルプラグを取り外せば、バレルをスライド前方へ引き出せる。

スライドストップ
スライドストップはスライド内側の金属パーツと噛み合う強化タイプ。また、リコイルスプリングガイド内に小さなスプリングが内蔵されており、インナーバレル側とのリコイル吸収機能がある。そのため、スライドを引いたとき弾力のある独特の感触がある。

ホップアップレバー
ホップアップレバーはチャンバー横にある。バレルを取り外さなくても調節は可能だ。

グリップはネジを取り外して
グリップはネジを取り外してフロント部のピン止めが少し硬いが取り外すことができる。実銃のホーグはワンピースだが、マルイは2ピース構造。グリップパネル内部には大きなウエイトが入っている。

マガジン
マガジン装弾数は22発とショートマガジンながら十分。シルバーメッキでピカピカ。実測重量は164g。

リアサイト
リアサイトの2本のネジをスライド下側から抜けばリアサイトを取り外すことができる。取り外すときにはドブテイルなので、サイトを左にスライドさせてから上方へ取り外す。

マイクロプロサイト
付属のマイクロプロサイト用マウントを取り付けて、別売のマイクロプロサイトを搭載。スライド上部にぴったり収まって予想以上にカッコいい!!

小型ドットサイト
小型ドットサイトでもコンパクトなV10に搭載するとそれなりに大きく見えるが、狙いやすさは抜群、接近戦での戦闘能力は飛躍的に向上する。

BLACKHAWK!
BLACKHAWK!の実銃用シェルパホルスターにぴったり収まった。

実射テスト

この時期、屋外での実射は気温的に厳しいので、今回は室内9mでの射撃を行った。
弾は東京マルイのベアリングバイオ弾0.2g、ガスはHFC134aのカモガス、気温は21度、湿度31%の条件。

マルイの標準的なガスブロ同様、立射で撃っても10cmサークルには収まる集弾性だった。暖かくなったら屋外のレンジでも撃ってみたいところだ。初速は平均で59m/sと低めだが、やや気温が低めであるし、コンパクトピストルなので十分と言える。
気になったのは極まれにバーストしてしまう現象が発生したこと。まだディスコネクター周りの内部パーツのあたりが取れていないのか、あるいはこの個体のみの現象なのか、これまで多くのマルイのガスブロを撃ってきたが、初めてのことなので、ここはもう少し慣らしで撃ってみて様子をみたいと思う。

リコイルはコンパクトモデルながらビシっと鋭い。ただ、マガジンの容量が小さいので低気温下での連射はやや厳しい。それでも懐で軽くマガジンを温めておけば、1マガジン22発を一気に撃ってガツンとホールドするほどの作動性を見せた。屋外のゲームで使う場合はフルサイズガバのマガジンやロングマガジンを使用するというのも良いだろう。

M45A1との比較
同系列の最新ブローバックユニットを搭載するM45A1との比較。M45A1等のフルサイズマガジンを使用することもできるので装着してみた。マガジンボトムが少し飛び出すが、その分作動も安定する。ゲームにガンガン使うならこちらだろうか。V10はアンダーレイルがないのでライトを使用する場合はハリスメソッドで戦おう。

デトニクスと比較
マルイのコンパクトガバと言えばデトニクス.45も忘れてはならない。同じ3.5インチクラスのサブコンパクトだが、デトニクスのほうがグリップが短い。デトニクスはグリップが短すぎて小指が掛からない。デトニクスのマガジンはV10に使えないが、その逆はOK。


最後にWAのV10ウルトラコンパクトと同環境で撃ち比べてみた。WAのマグナブローバック独自のドシッと引き締まった重いリコイルに対して、マルイのV10はバキッとブローバックスピードが速い。質の違うそれぞれのブローバックだが、リコイルの強さは同等に思える。
外装で言えば、WAにはSFAの刻印が入っていたり、アウターバレルが金属製でスライド操作音がチャキンとリアルだったりする点はマルイにないものがある。だが、全体にエッジの効いたシェイプの鋭さ、ディティールの正確さは最新モデルだけあってマルイが勝っている。双方に魅力があり、甲乙つけがたい。

総評

総評

外観上で気になるのは2点、スライド右側面にSPRINGFIELDの刻印が入っていないことと、ノバックタイプのリアサイトが少し低いこと。ただ、SFAの刻印サービスを早速始めているショップもあり、リアサイトもリアルカスタムパーツが発売されるのではないだろうか。

全体的にはマルイの傑作と言えるほどに丁寧な外装の作りで、質感の異なるスライドとフレームの仕上げ、ハンマー&ファイアリングピン周りのリアルな造形、グリップの質感ともに所有感は非常に高い。
この外観については、もはや極まった感すらある。このクオリティで1911シリーズの人気モデルをどんどんモデルアップしてもらいたい。
とくに1911のコンパクトが好きな方には是非ともお勧めしたいモデルだ。サブコンパクトの利点を生かしてプレートキャリアに挿して携帯するなどバックアップとしても活躍しそう。
東京マルイのV10ウルトラコンパクト、コレクションに加えておきたい一丁と言える。

スペック&弾速データ


全長 180mm
重量 709g (空マガジン含む)
銃身長 74mm (インナーバレル長)
装弾数 6mmBB弾 22+1発
定価 18,800円(税別)
発売日 2019年12月23日

最高 60.59m/s
平均 59.07m/s
最低 57.48m/s
ジュール 0.349J
※東京マルイ ベアリングバイオBB弾 0.2g使用、10発での測定、気温21.3度、湿度32.0%、XCORTECH X3200 MK3にて計測。パーツリスト.PDF (1.3MB)

2019/12/25



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