東京マルイ ガスガン スミス&ウェッソン M19 6インチ

東京マルイ ガスガン スミス&ウェッソン M19 6インチ

レポート:戸井 源太郎

リボルバーなのに24連発撃てる! という東京マルイのガスリボルバーシリーズは、かなり衝撃的でした!
サバゲからトイガンの世界に入ってきた私は、以前はリボルバーに、ほとんど興味が湧きませんでした。
それはまず装弾数の少なさがありました。
30年ほど前の話ですが、エアコッキングのハンドガン、登場したばかりの固定スライドガスガンで15発ほど装弾数があったのに対し、リボルバーでは5~6発というのは心細すぎました。
またオートマチックと比べても再装填に時間がかかるのも問題だと思っていました。
そしてバレルとシリンダー(カート)の隙間があり、エア効率も悪く、飛ばない、当たらないというのが、1980年代中ごろのリボルバーの定説でした。

1996年 マルイ広告
しかし! 1996年に東京マルイから24連射が可能なパイソンが発売された時、初めてリボルバーが欲しいと思いました。当時はパイソンの4インチを購入し、かなり愛用していました。
翌年の1997年12月に、S&W M19がラインアップに加わり、2013年に全面リニューアルされました。
今回は東京マルイのS&W M19 6インチを遅ればせながら、改めてリポートします。

東京マルイ ガスガン S&W M19 6inch スペック & 弾速データ
全長 291mm
重量 580g
銃身長 149mm(インナーバレル長)
装弾数 6mmBB弾 24発
定価 13,800円(税別)
発売日 1997年12月
2013年3月リニューアル
最高 55.61m/s
平均 53.25m/s
最低 50.27m/s
ジュール 0.284J
※東京マルイベアリングバイオBB弾 0.2g使用、ホップアップ固定、10発での測定、気温約26度(室内)
パーツリスト

マグナム
映画やアニメの影響で、とにかく子供の頃は「マグナム」は最強の拳銃弾というイメージでした。
「象を1発で仕留められる」「車のエンジンをぶち抜いてストップできる」「片手で撃ったら脱臼する」などと実しやかな都市伝説もありました。

本来は酒の大瓶(マグナムボトル)のことでしたが、転じて通常より威力を増した弾薬類と、その弾を撃てる銃器をさすようになったそうです。
S&W M19は1955年に.38口径弾用の軽量なKフレームを採用することで、コンパクトで強力な.357マグナム弾が撃てる拳銃として生まれました。
なにより『ルパン三世』の次元大介が愛用する拳銃として有名ですよね。
本来、次元大介は4インチですが、あえて6インチを購入しました。長いほうがかっこいいからね。
このM19の愛称の「コンバットマグナム」も広く知られており、いかにも強そうで、名は体を現わしています。

パッケージパッケージの中はベロア生地が敷かれ、高級感漂います。その中に青みがかかったM19が横たわっています。
.357弾カートリッジ用の紙箱を模した中には、BB弾(0.2g / 200発)、保護キャップ、弾抜き用のエジェクトシャフトが入っています。箱のサイズは縦210×横345×厚65mmです。

S&W M19 6インチ左
S&W M19 6インチ右
6インチのバレル、中央のシリンダーにニョキと突き出た独特のカーブを描くグリップとのバランスが絶妙です。このスタイルがリボルバーだ! と思っている方も多いでしょう。
リニューアル版のM19のボディはブルーかかった塗装になっています。光の加減や角度により、色合いが変化します。

ボディはすべてプラ製ですが、この塗装のおかげで、ブルーイングのような質感を再現しており、M19の雰囲気をよく再現してくれます。

同梱物
M19の取扱い説明書、クリーニングロッド、カタログ、アンケートハガキ、ターゲットペーパー、注意書き等が同梱されています。

マズル
.357口径の迫力あるマズル。長さ149mmのインナーバレルが6インチバレルのギリギリまで見えます。

V HOP またHOPは固定式ですが、平面から命中精度に定評のあるV HOPにリニューアルされています。

バレル刻印
バレルの左側には「Smith & Wesson」、右側には「S.& W.357 MAGNUM」と刻印が入っています。

フロントサイト リアサイト
フロントサイトにはエイミング(狙い)やすいようレッドポイントがあり、リアサイトは左右調整ができるアジャスタブルタイプとなっています。

フレーム上面、バレル上面
フレーム上面、バレル上面には、細かい筋が入っています。この筋により、エイミング時の光の反射を防いでいます。

トリガー面がとられたラウンド形の大型トリガーガードはグローブしていても余裕で扱えます。またトリガー幅も肉厚も充分で、指の腹でしっかり引くことができます。
グリップグリップは優雅なラインで、実に握りやすいです。材質はプラ製ですが、木目調になっており、一見するとリアルウッドと見間違えそうです。グリップ底部にガス注入口があります。

シングル、ダブルアクション
M19はシングル、またはダブルアクションで撃てます。ハンマーが落ちている状態でもトリガーを引けば撃てます。トリガーは重めですが、モデルガンほどではありません。実銃はもっと重いです。実銃では事故、暴発を防ぐためのセフティも兼ねています。
右写真はハンマーを起こした状態のシングルアクション。トリガーもかなり後退しているため、トリガープルは軽めで、精密な射撃に最適です。

マニュアルセフティハンマーの横にマニュアルセフティがあります。実銃にはセフティがないため、ガスガンオリジナルの機構です。この状態で「FIRE」、レバーを前にして「SAFE」です。
サムピースシリンダーの後にあるのがサムピース。これをシリンダー側に押し込んでシリンダーロックを解除します。


左側にスイング
シリンダーは左側にスイングします。シリンダーエンドにはダミーの金色のカート底部がみえます。

シリンダーを前から
シリンダーを前からみたところ。BB弾はこちらからBBローダーで装填します。シリンダーの各ホールにBB弾が4発ずつ、合計24発装填できます。

発射のメカニズム


ガス放出ノズル
M19は構造上、シリンダーをスイングアウトした状態で、ハンマーを起こせないので、旧モデルのパイソンで一部、説明します。
フレーム後端部にガス放出ノズルがみえます。



ガス放出ノズル
ハンマーを起こすとガス放出ノズルが付き出て、シリンダーのダミーカート底部を押し込み、密着するようになっています。

ダミーカート底部
ハンマーを起こすと、このようにシリンダーにあるダミーカート底部がガス放出ノズルで1mm程度、押されることになるわけです。

カートリッジストッパー
ダミーカートの底部が押されるとシリンダー前部にカートリッジストッパーが出てきて、初弾をチェンバーに送りつつ、発射しない残りのBB弾をしっかりストップさせます。
また残弾処理もカートの底部を押すことで安全にBB弾を抜くことができます。

発射メカニズムの図発射メカニズムの図になります。これは取り扱い説明書に載っているものです。
約20年前にガスリボルバーが発売されたときに内部構造がわかる透過図のポスターがあったので、じっくり眺めて考えていましたが、当時はまったく仕組みを理解できませんでした(笑)。これはわかりやすく解説してくれています。


Smith & WessonとColtのお話


Smith & WessonとColtのお話
アメリカが誇る2大銃器メーカー、Smith & WessonとColtについて四方山話を少しします。右のパイソン 4インチも東京マルイのガスリボルバーで、発売後すぐに購入した旧モデルになります。もう購入から約20年経ち、かなりボロボロになっています。
Coltは1836年、Smith & Wessonは1852年に設立され、どちらも19世紀中ごろからの創業です。
Coltは1836年にいわゆるハンマーを起こすとシリンダーが回り、次弾を装填できるシングル/ダブルアクションを開発して、特許を得ました。
しかし、当時はまだ金属カートリッジの前時代のお話で、新たに金属カートリッジが開発されると、それに類するリボルバーの特許は1869年までにSmith & Wessonに独占され、立場が逆になりました。
そこでColtがどのように特許に対抗したかといいますと、「操作法をSmith & Wessonとはすべて逆にして乗り越えた」という話を聞いたことがあります。

Smith & Wesson M19 作動
こちらはSmith & Wesson M19です。シリンダーは後ろからみて反時計周りに回転します。写真のように横からみると上から下に回転します。またサムピースはシリンダー方向に押すようになっています。

Colt パイソン 作動
Colt パイソンです。シリンダーはM19とは逆に時計周りに回転します。またシリンダーラッチは押すのではなく、引いてシリンダーをスイングアウトさせます。
しかしリボルバーって、どれもほんとによく形が似ていますね。今でもたまに、これはSmith & Wesson? Coltだったけな? と混乱することがあります。

東京マルイのガスリボルバーシリーズ
リニューアルされた東京マルイのガスリボルバーシリーズですが、具体的にどこが変わったかといいますと、まずは外観ですね。
M19もパイソンも以前はマットブラックの塗装でしたが、リニューアル後はブルーイングの雰囲気を醸し出した青味が掛かった半光沢の塗装に変更され、質感が向上しています。
また併せて、シルバーのステンレスモデルもラインナップしました。
内部メカはシリンダーのカートリッジストッパーの強化と信頼性向上が行われているようです。
そして全体的にパワーが低くなったようです。たしかに測ってみると初速50m/s台で、10発平均で0.284Jはガスブローバックより低いですね。

試しに旧モデルのパイソンで初速測ったところ平均で67m/sありました。固定ガスガンはパワーが上がりやすいので、法規制に対して余裕を持たせたセッティングしたのでしょうか?
また当時、私のパイソンはなんの問題もなく、サバゲ等でかなり使い込みましたが、あとから聞くとシリンダーからの弾ポロやダブルフィード(2発発射)、弾が発射されないことが多々あったようですね。
リニューアルモデルでは、発射システムが全面的に見直され、確実に1発ずつ撃てるよう精度が向上しているようで、トラブルの話はほとんど聞きません。

現在、私の旧モデルのパイソンも、シリンダー、カートリッジストッパー等のパーツ、スプリング等がすっかりヘタっており、まだまだ撃てますが、上記のような症状が出ています。

実射性能


発射音はサイレンサーもないのに“ボシュ! ボシュ! ”とかなり静かです。
ダブルアクションはちょっとトリガーが重いですが、連射できないわけないです。一気に24連射もいけます。
シングルアクションはトリガーのストロークも短く、撃ちやすいです。
15mくらいなら顔くらいの大きさにヒットできるポテンシャルがあります。
リボルバーでこの精度なら個人的には全然問題になりません。

このM19は6インチと長いですが、重量は580gとガスブロよりもかなり軽いため、扱いやすいですね。かといって軽すぎておもちゃ感がするほどでもないちょうどよい重さだと思います。
また、撃っていて気が付いたのですが、シングルアクションのほうがダブルアクションよりBB弾がまとまる傾向があることがわかりました。
これは、シングルアクションはハンマーをリリースするだけですが、ダブルアクションでは、ハンマーの起倒、シリンダーを回転、ロックなどアクションが多いことが関係しているのではと推測されます。
より精度が必要なときは、シングルアクションで撃つほうがよいでしょう。




実銃のCOLTパイソン8インチとS&W M29 .44マグナムを撃ったことがありますが、片手で射撃した時は、反動で自分の顔に銃が当たりそうでした。両手で撃っても肘が90度近く曲がりましたが、東京マルイのM19は、反動はありません。非常に撃ちやすいです。
しかし飛距離は固定HOPのため、30mくらいで急速に落ちる感じでした。この距離では顔を狙って、ヘソに当たるような感じです。一応、ギリギリですが、人物大ならヒットできそうです。
実際、ゲームの時にハンドガンを使うシチュエーションは近距離だと思いますので、なんとか30mまで飛ぶのでしたら問題ないと思います。


ファンの中には、リボルバーで24連射などは邪道だ! という方もいらっしゃいますが、個人的には、24連射だからこそ、いいのです!

昔のリボルバーは当たらない、飛ばないという常識を覆した独自のメカニズムを搭載した東京マルイのガスリボルバーシリーズは、コレクションする価値は十分にあると思います。もちろんサバゲーでもガンガン戦えます。 撃ってみても、特に問題点、欠点は思い当たりませんでした。

できることならもっとラインナップを増やしてほしいと思っています。
ダーティハリーのM29 .44マグナムとか、M36 チーフスペシャルとか欲しいですね~。
そういえば、20年前にキングコブラがアナウンスされていましたが、どうなったのでしょうか?

撮影協力:ビレッジ2

2015/10/22


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