SNOW WOLF 電動ガン バレット M98B 【エアガン レビュー】

SNOW WOLF 電動ガン バレット M98B【エアガン レビュー】

レポート:戸井 源太郎

香港のSNOW WOLFから大口径ボルトアクションスナイパーライフル、BARRETT M98Bが電動ガンで発売されました。もちろん世界初のモデルアップです。
サバゲーでの使用を重視してか、ボルトアクションなのに、エアコッキングではなく、あえて電動でモデルアップしているところにも興味があります。
早速、レビューしてみましょう。


BARRETTといえば、.50口径のM82A1が有名ですが、セミオートで速射性は優れていました。しかし、もともと重機関銃用の.50口径=12.7mm弾は遠距離には向いていましたが、スナイピング用の弾ではないこと、そしてセミオートマチックというメカのため命中精度は優秀とまではいかなかったようです。

そこで、有効射程は少々劣りますが、より遠距離での精密射撃に開発された.338 Lapua Magnum弾を採用したモデル、M98Bが2008年に発表されました。その精度は100ヤード5発での精度は平均0.9インチ以内を誇るそうです。


またUS SOCOMの新型狙撃銃トライアル「SOCOM PSR」のためにM98BをベースにMRAD(Multi-Role Adaptive Design)が開発されています。一番の特徴はLapua弾のみならず、ワンタッチで.308口径や.300 Winchester Magnumに銃身が交換できることにあります。またストックに折り畳み機構が加えられています。ただし現時点で制式採用してはいなさそうです。


全長1m超で、その半分以上がバレルになります。この迫力ある狙撃銃のM98Bを完全再現しています。アッパーはアルミ製、ロアはストックと一体のナイロンファイバー製となっています。そのため、このサイズでも4kg強と重量を抑えることに貢献しています。

電動メカはVer.2系を搭載し、バッテリー収納用にAN/PEQ2タイプのバッテリーケースが付属しています。

スペック & 初速データ
全長 1,270mm
重量 4,170g
銃身長 670mm(インナーバレル長)
装弾数 6mmBB弾 240発
定価 58,000円(税別)
発売日 2017年1月

最高 90.32m/s
平均 89.54m/s
最低 87.68m/s
ジュール 0.802J
回転数 783rpm (秒間約13発)
※7.4Vリポ使用

※東京マルイ ベアリングバイオBB弾 0.2g使用、ホップアップ適正、気温13度、湿度37.0%、10発、X3200にて測定。

パッケージ
パッケージはダンボール地のままで、右上に弾速証明証が貼られています。
中は型抜きされたスポンジで、銃やパーツが綺麗に収められています。


付属品として、AN/PEQ2タイプのバッテリーケース、BB弾、スリング、QDスリング、六角レンチ、取説が基本ですが、本体セットには入ってないはずのバイポッドとアダプターが入っていました。



ハンドガードと一体のアッパーレシーバーはアルミ製で、この角ばった形状はバレットM82A1を彷彿させます。
ロアはナイロンファイバー製でストックまで一体ですが、軋みなど全くありません。


アッパーレシーバーの右サイド、エジョクションポートの下には大きく「BARRETT」の刻印が入っています。


アッパーレシーバーの左サイドには、モデル名とBARRETTの社名、所在などが刻印されています。


球形の大型コッキングハンドルはで操作しやすいです。電動ガンなので、射撃のためにボルト操作は必要ありませんが可動します。


全長93.5mmもある.338 Lapua Magnum弾でボルトストロークも長いです。ボルトは電動ガンのメカボックスを覆う単なるカバーなので、抵抗もなく引けます。


ボルトを引くことでエジェクションポートが開き、ホップダイヤルが現れます。ホップはドラム式となっています。


トリガー周りの構成は使い慣れているM4を踏襲しています。


グリップはM4と同じA2グリップを搭載しています。Ver.2系メカボックス搭載なので、電動ガン用のM4系グリップなら使えそうですが、未確認です。


セレクターの形状もM4と同じです。SNOW WOLFのM98Bは電動ガンなのでフルの位置に入れるとフルオートで撃てます。


トリガーガード前にマガジンキャッチがあります。AKやMP5と同様に前に押すタイプです。もちろん左右どちらからでも操作できるアンビ仕様です。


マガジンは上部の蓋を開けてBB弾を流し込むゼンマイ給弾の多弾倉で、プラ製なのでとても軽いです。装弾数は240発です。横幅はありますが、高さがないため、見た目より装弾数が少なく感じます。



左右に2個ずつポートがある大型のマズルブレーキを搭載しています。アウターバレルもアルミ製で軽量化のためにフルート処理がされています。


アッパーレシーバーの肉厚は3mm以上あります。これだけ厚みがあれば、剛性に問題はないでしょう。


独特なスケルトンストックを忠実に再現しています。
ロアフレームと一体化のストックなので、素材は同じくナイロンファイバー製です。軽量化のためのスケルトンになっていますが強度は十分で、軋みなどは全くありません。


スコープに合わせてチークパッドの高さは調節可能です。

モノポッドは5段階で調節可能です。


バッテリー搭載用にAN/PEQ2タイプのバッテリーケースが標準装備されています。バッテリーは別売りで、セパレートバッテリーが推奨となっています。
しかし全長1mを超える大型の電動ガンでコンパクトなリポですら内臓できないのかと思ってしまいます。

実射テスト


まず、このM98Bを手にした時の感想は「思ったより軽い」でした。スペック上の重量は約4.2kgで、過去に発売されていたBARRETT M82A2のトイガンや、ライトマシンガンなどと比べてはるかに軽量です。立射も不可能ではありません。
東京マルイの次世代電動ガンのHK 417がリアルウエイトを謳っていて重量が4.5kgですから本体のみの重量なら、このM98Bの方が軽いのです。



実射テストはいつもと同様、BB弾は東京マルイのベアリングバイオ0.2gBB、バッテリーはリポの7.4Vを使用しました。距離は40mで人物大ターゲットになります。
ホップを調整してセミで射撃を開始すると40mのボディ全体に万遍なくヒットします。まずまずの精度かと思います。

可変ホップは細かい調整はしやすいのですが、0.25g弾だとホップ最大でも少し山なりに飛んでいきます。
次にフルで撃ってみたところ、こちらもセミと同様、満遍なくヒットします。フルで撃つと30m過ぎから全体にバラけていくのがよくわかります。しかし距離40mで人物大にほぼ命中するので素性としては悪くないと思います。
有効射程は40mが限界で50mとなると、かなり上へ角度をつけて撃たなければなりません。

リポバッテリーのおかげでトリガーレスポンスも悪くないですが、射撃感はスタンダード電動ガンそのものです。テストで1,000発くらい撃ちましたが、なんの問題も発生しませんでした。すでに世界中で使われ、熟成されたVer.2のメカボックスなので、耐久性、信頼性ともに問題なさそうです。
電動ガンとして、充分な成績でしょう。ただしスナイパーライフルというほどの精度ではなかったのが少し残念です。


電動ガンとしての精度、性能は充分、及第ですが、実射テストの結果からセミオートでは、遠距離で1発必中のスナイピングはうのは難しいというのが実感です。
M98Bがサイズの割に軽いといっても、サバゲーで、この長いバレルは扱いやすいとはいい難い上、持って走り回るというのは非常に疲れます。やはりサバゲーでは、バイポッドを装着し、プローンしてアンブッシュが当然の戦術ではないでしょうか。

そこで私は、このM98Bをサバゲーで使用するとしたら、フルオート射撃も可能な電動ガンの利点を活かし、スナイピングというより、ライトマシンガンとして運用した方がよいのではないかと思います。マガジンも多弾倉が標準装備なので、弾幕も張れます。マガジンも嵩張る弾薬箱ではなく、マガジン式なので、動きやすいと思います。
M98Bはスナイパーライフルだからという固定概念に拘らず、柔軟にサバゲーで活用すれば、充分に活躍できるでしょう。

総評


SNOW WOLFはBARRETTのM82A1やM107A1、ブルパップのM99などビッグサイズの電動、エアコッキングでラインナップしている香港のメーカーです。
長いバレルにフルート加工、戦車のようなマズルブレーキ、無骨なレシーバーを高い工作技術で忠実に再現しています。もちろんフルメタルボディで、そのリアルな質感はユーザーも納得できるクオリティです。
このM98Bも過去のBARRETTシリーズと同様、外観の出来は非常に高いです。見た目は重量感たっぷりながら、意外と軽量というところにも私は評価します。

個人的に不満なところは、やはり全長1mを超えるビッグサイズ電動ガンなのに、バッテリーが外付けというところですね。
ハンドガードとバレルの間に入らないかと思いましたが、肉厚のレシーバーに同じく肉厚のアウターバレルでその隙間もなさそうです。他の箇所も隅々まで、じっくり見ましたが、やはりなんともならなさそうです。
次に、なんといっても命中精度ですね。素性は悪くないのですが、やはり.338 Lapua Magnum弾のスナイパーライフルがモデルというと必要以上に期待してしまいます(笑)。
メカボックスはVer.2なので、カスタムパーツも豊富に揃っているので、精度に納得できないなら自分で、もしくはショップでチューンするのがよいでしょう。


精度に少々不満があるとはいえ、このサイズの電動ガンで市場価格が45,000円前後というのは、かなりリーズナブルだと思います。昔はこのサイズの電動ガンは余裕で10万円は超えていましたからね。
外観のクオリティの高さ、信頼性の高さから価格から考えると、このSNOW WOLF BARRETT M98Bは、決して、高すぎるわけではないでしょう。
チューンしてスナイパーライフルとして本来の使い方をしてもよいし、フルオートでライトマシンガンとして使ってもよし! 

電動ガンだからこそ、いろんな楽しみ方ができます。皆さんも自由に運用して、このM98Bで敵を仕留めてださい。

協力:ビレッジ2


2017/05/26

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