マルゼン ガスガン ワルサーPPK/S ムービープロップシリーズ レビュー

マルゼン ガスガン ワルサーPPK/S ムービープロップシリーズ

PPK/Sはドイツのワルサー社が製造する中型オートマチック拳銃だ。弾薬は9mm×17の.380ACP弾と.32ACP弾(7.65mm×17)を使用するモデルがある。
PPKの前身はワルサーPPで、これをコンパクトにしたものがPPKとなる。PPKの発売は1931年で、ナチスドイツの将校の武器としても愛用された。戦後アメリカにも輸出されたが1963年のケネディ大統領暗殺事件を期にアメリカの武器輸入規制法が変わり、小型拳銃に規制がかかってしまった。これに対応すべくグリップを長くして全高の規制値をクリアしたものが1969年に発売されたPPK/Sと呼ばれる。

左側面イメージコンパクトなオートマチックピストルが欲しくなり、以前より気になっていたマルゼンのワルサーPPK/Sのシルバーを購入した。

マルゼン社のPPKといえば、それはもう遥か昔からフィクスドガスガンなどが発売されていて、改良に改良を重ねてきた名銃だ。マルゼンのエアガンはドイツのワルサー社とライセンス契約を結び、正式な刻印と図面により、忠実に再現されているのが特徴。このPPK/Sも例外ではなく、たなびくワルサー社のロゴバナーが刻印されている。刻印は.380ACP版。

今回購入したシルバーモデル以外にブラックメタルと通常のブラックモデルがカラーバリエーションとして発売されている。

右側面米国INTERARMS社製のライセンス生産バージョンであるPPK/S .32ACP(実銃写真)を触る機会があったのだが、やはりステンレスのシルバーモデルで小型ながらズシリと重い。フレームのエッジは手が切れそうなくらいに鋭く、精密な印象を受けた。

開発された時代が時代なのでナチスドイツの制式拳銃として将校などに愛用され、その優れたメカニズムと美しいデザインは各国の軍用拳銃に多大な影響を与えた。

戦後、ドイツの外貨獲得輸出品目としてナチスの悪いイメージを払拭したのが、映画007シリーズだ。ショーン・コネリー扮するジェームズ・ボンドの武器として米国でも一躍有名になったようだ。

映画ダイ・ハードでも敵役のカールがナカトミビルの受付でサイレンサー付のものを使用している。
樹脂製のハードケース樹脂製のハードケースパッケージ。
真鍮にシルバーメッキを施した美しいカスタムアウターバレル
このムービープロップシリーズは真鍮にシルバーメッキを施した美しいカスタムアウターバレルが組み込まれている。マズル部分の内側には付属のサイレンサーを取り付けるためのネジが切ってある。惜しいかな、トリガーガードのエッジにバリが残っており、その上からメッキしてしまっている。この辺は個体差があるので、可能ならば購入時に確認したほうが良い。

スライドがホールドオープン
全弾撃ち尽くすとスライドがホールドオープンするが、PPK/Sにはスライドリリースレバーといったものはない。マガジンを抜くか、再び装弾されたマガジンを入れた状態で、スライドを後方に引いて放すとスチャッとスライドが前進する仕組み。

フィンガーレスト付のマガジンフィンガーレスト付のマガジンはちょうど小指がこの部分に引っかかり、グリップしやすい。
ハンマーを起こすハンマーを起こす。ファイアリングピンホールのモールドが再現されている。リアサイト後方にある小さい丸いノッチは、実銃ではチャンバー内に弾がある場合にロッドが飛び出してくるローディングインジケーター。ただしマルゼンのはダミーだ。

このインジケーターを見るためにハンマーの上部がU字状にえぐられている。
セフティレバースライド左側にあるセフティレバー。
ハンマーを起こした状態でセフティをかけると下の写真の位置までハンマーがデコックされる。

ハンマーがデコック
トリガーガードを下方に引くスライドを分解するにはまずマガジンを抜き、トリガーガードを下方に引きながら、スライドを後退させて上方に取り外す。
スライドを分解した状態スライドを分解した状態。
実銃同様にシンプルなストレートブローバック方式なので、バレルはフレームに固定されている。

バレルを取り巻くようにしてリコイルスプリングがある。
チャンバー上部には可変ホップアップ調節用の金色のダイアルチャンバー上部には可変ホップアップ調節用の金色のネジが見える。

チャンバー左側のスライドストップアームを取り外すとスプリングを紛失しやすく、再度組みにくいので注意。
スライド裏側スライド裏側には鋭い衝撃を生むブローバックエンジンが組み込まれている。

撃った感触はバシッとスライド動作が素早く、コンパクトなので手にガツンと来る衝撃はかなりのもの。小型拳銃だと思って舐めていたらちょっと驚いた。冷えにはやや弱く、連射するとブローバックの速度低下はやはり感じられる。

弾道はホップ調整が難しいがホップ適正になるとスウッと素直な弾道になる。ガスブロとしてはまずまず、というか、コンパクトガンでこの性能はちょっとすごい。
マガジン装弾数は22発マガジン装弾数は22発。
亜鉛ダイキャスト製で、両サイドにはワルサー社のロゴバナーとCal. 6mm BBの刻印がある。
マガジンフォロアーは空撃ちモードと一番下の部分で固定できるようになっている。

小容量ながらガスをフルチャージすると2マガジンくらいは撃てる。
全長135mmのロングなアルミサイレンサー
全長135mmのロングなアルミサイレンサー。軽量&細身なのでサイティングを邪魔することもない。

マガジンを装着しての重量は420gマガジンを装着しての重量は420g。
アウターバーレルが真鍮製なので単品モデルに比べたら重量感がある。
総評としてサイレンサーとメタルアウターバレル、可変ホップ内蔵でお買い得感が高い。メッキの質感などもよく、撃った感触も鋭く、弾道もフラットで全体的に満足感に浸れるモデルだ。スパイを気取るもよし、ハリウッド映画スターになった気分にさせてくれる。

スペック


全長 155mm
重量 420g
装弾数 6mmBB弾 22+1発
定価 15,800円(税抜)
発売日 2008年
初速 最高 64.60m/s
平均 62.93m/s
最低 61.62m/s
ジュール 0.40J
※SIIS ECOBB弾 0.2g使用、ホップアップ適正、10発での測定、気温20度



2008/3/15


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