東京マルイ 電動ガン MP5 R.A.S. レビュー

東京マルイ 電動ガン MP5 R.A.S. 【エアガン レビュー】

実銃のMP5はドイツ、ヘッケラー&コッホ社の製造する9mm×19拳銃弾を使用するサブマシンガンだ。G3アサルトライフルのローラーロッキングメカニズムを利用したクローズドボルト方式により高い命中精度を誇り、世界各国の特殊部隊や警察、いわゆるローエンフォースメントで使用されている。
そのMP5にレイル・アダプター・システム、略してR.A.S.を搭載したものがMP5 R.A.S.となる。米軍のショルダーウエポンであるM4カービンにもドットサイトやスコープなどの各種光学機器、レーザーサイトやフラッシュライトなどのオプション装備をシチュエーションに応じて自由に取り付け可能なこのシステムが導入された。アメリカ、フロリダ州のナイツアーマメント社とH&K USA社との提携によって開発されたMP5の進化形のひとつがこのR.A.S.バージョンといえる。
東京マルイがモデルアップした電動ガン、MP5 R.A.S.を今回も中古ではあるがレビューする。

東京マルイ MP5 R.A.S. 電動ガンスペック
全長 502/732mm(ストック伸張時)
重量 2,600g(バッテリー含)
銃身長 229.5mm(インナーバレル長)
装弾数 6mmBB弾 50発
定価 38,800円(税別)
発売日 2002年7月17日
メカBOX Ver.2 / EG700
バッテリー ミニ

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東京マルイ MP5 R.A.S. 弾速データ(中古)
最高 79.71m/s
平均 79.17m/s
最低 78.54m/s
ジュール 0.627J
※エクセル バイオBB弾 0.2g使用、ホップアップ適正、10発での測定、気温25.1度、湿度57.0%

パーツリスト

MP5 RAS 右側面
今回、中古品でレイルを保護するハンドガードパネルが付属していなかったので、モスキートモールドのものを装着して撮影した。初速も若干遅めの結果が出たが、グリスアップやメンテすることでもう少し上がるだろう。

レイル・アダプター・システム 左側面
MP5 R.A.S.の最大の特徴は、その名前にもあるようにハンドガードがレイル・アダプター・システムになっていること。
このレイルシステムはアルミ製で軽量化と高剛性を両立している。

レイル・アダプター・システム 右側面左右と下面に配された三つの20mm幅レイルにさまざまなオプションパーツを装着することが出来る。
レイルシステムの中にミニバッテリーを内蔵このレイルシステムの中にミニバッテリーを内蔵できる。社外品のラミネートパックされたニッケル水素バッテリーも取り付け可能だ。

後方をレシーバーの溝にはめて前方のハンドガードピンで固定する。着脱しやすい。
バーチカル・フォアグリップナイツアーマメント社のロゴが刻印されたバーチカル・フォアグリップが標準装備される。

もちろん下面レールに取り付けてあるので前後の位置調整や取り外すことも可能。
フラッシュハイダープラ製で軽量なフラッシュハイダーはPDWやMP5-Jと同様のもの。
取り外すと従来のマズル部分にバレルフロントカラーがハマっているので取り外すとM14逆ネジ仕様となる。各種サイレンサーが取り付け可能だ。

バレルフロントカラー
M14逆ネジ仕様
ドラム式 リアサイトリアサイトもMP5シリーズ共通のドラムタイプ。
ドラム、リアサイトベースともに亜鉛ダイキャスト製だ。

ドラム部分を回転させ距離に応じたピープサイズに切り替える。
ドットサイト「プロサイトII」MP5 R.A.S.のもうひとつの特徴がドットサイト「プロサイトII」が標準装備されていること。

バトラーキャップこそ付属しないが、これは別売のNEWプロサイトと同等のものだ。

スタイルはAimpointのコンプに似ているが、胴筒部分は軽量なプラスチック製。
さすがに数万円クラスのドットサイトと比べるのは酷だが、質感的にはちょっとチープな印象。

ドットサイトは、銃本体に装着されたローマウントベースに軽量なアルミ製のシングルマウントリングで固定される。
電池はLR44を2個使用 明るさを3段階で調節電池はLR44を2個使用し、スイッチボックス内に収納する。
ロータリースイッチにより、ドット(輝点)の明るさを3段階で調節できる。

狙点の上下左右の調節は上面と側面のアジャストダイヤルによっておこなう。キャップなどを外すことなく、手でそのままダイヤルを回せるので便利だ。

この標準装備のドットサイトにより素早いサイティングが可能となっている。
ドットは小さめにしっとりと品良く光るドットは小さめにしっとりと品良く光り、狙いやすい。ただし、炎天下だと最大光量でもちょっと暗いかもしれない。レンズの青さは価格なりといったところ。重量はわずか71gと非常に軽量だ。

標準装備のローマウントベースはパララックス(視差)が少なくドットサイトを装着しても狙いやすい。

さらにMP5 R.A.S.のもうひとつの特徴として、折り畳み可能なフォールディングストックを装備する。ストック部分の素材は軽量なプラ製だが強度も十分だ。ストックを折りたたむには赤矢印のようにストックを持ち上げロックを外し、右側面へスイングする。

ストック基部は堅牢な亜鉛ダイキャスト製。
フォールディングした状態でストックはロックされていないが、スプリングのテンションがかかっているので勝手に伸びてしまうようなことはない。
ストックを伸ばすときはそのままストックをつかんで伸ばせば、伸びきったところでカチッとロックがかかる仕組み。

プラストックと基部の金属部分側接合部、ストックのモナカ構造が使用していると開きやすいので瞬間接着剤などで補強すると良い。
MP5 PDW同様のフォールディングストックだが、ストック基部のレシーバーキャップ分が約1cm長く、グリップまでが遠く感じる。

気になる場合は、A4固定ストック&ラージバッテリー化しても良いし、A5のスライドストックを装着することも出来る。

MP5はメカボックス後方にコネクタがあるので簡単にラージバッテリー化できる。
ホップアップの調節レバーは矢印の位置。
これはクルツやPDWを除く、MP5シリーズ共通の仕様。
MP5の基本設計は1992年で、当時まだホップアップ機能はなく、93年のSDシリーズからホップアップが標準化された。この名残でどうしても後付け感が漂う位置にレバーが付いている。操作中に狂いやすいのでレバーを短くカットするというのもひとつの方法だ。

最新の設計ならばコッキングレバーに連動してボルトが後退し、その中に調節レバーないしダイヤルがあるのが普通。
ぜひともリニューアルして欲しいところだ。

グリップにはEG700モーターを内蔵する。セミの切れもフルオートの回転も十分小気味よい。さらにハイトルクを求めるならば、EG1000モーターに換装することも出来る。
金属製のセフティ・セミ・フル切り替えのセレクターレバーはアンビタイプ。
トリガーもマガジンキャッチも操作しやすい。
ドットサイト、フォアグリップ、50連マガジン、ニッケル水素ミニバッテリーを装着しての総重量は2,540g。

光学機器を装着してのこの重量はかなり軽い部類。
MP5 RAS 左側面
MP5 RAS 右側面
総評として、軽量、コンパクトで取り回しの良いMP5にフラッシュライトなどを手軽に装着できるスタイリッシュなRASが装備され、フォアグリップもドットサイトもマウントベースも標準装備でこの価格ならば非常にお買い得といえる。これから装備を一式揃えようと思っているユーザーにはオススメだ。逆に、すでにドットサイトやオプション装備を持っているユーザーや、少々出費はかさんでも社外品の光学機器を購入しようと思っているユーザーにとっては普通のMP5という選択肢もあるだろう。しかしながらアルミ製のレイルシステムはクオリティも高く、純正ならではの一体感のあるデザインも良い。これだけでも購入の価値はあると思う。

2008/06/08


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