KSC ガスガン P230JP レビュー

KSC ガスガン P230JP 【エアガン レビュー】

日本の自衛隊や警察が採用する銃器にはやっぱり興味があるもの。自衛隊が採用する小銃や拳銃はもとより、街角で警察官とすれ違ったりすると、ついつい腰にぶら下げているホルスターの隙間から覗くグリップに目がいってしまう。
しかも、最近になってドラマ「SP」のDVDが発売され観てしまった。このドラマ、踊る大走査線と同じ監督の作品で正式タイトルは「SP 警視庁警備部警護課第四係」。特殊能力をもつセキュリティ・ポリス(SP)井上薫と仲間のSP達がテロリストと戦うドラマなのだが、詳しい内容はドラマを見ていただくとして、とにかく主人公の岡田准一、堤真一や真木よう子 ら出演者の役回りや演出がカッコよかったりする。
すぐに影響されてしまい、ついついKSCのP230JPを買ってしまった。

KSC ガスガン P230JP スペック & 弾速
全長 169mm
重量 430g
装弾数 6mmBB弾 12+1発
定価 15,500円(税別)
発売日 2001年7月

最高 59.26m/s
平均 58.64m/s
最低 57.80m/s
ジュール 0.344J
※SIIS グリーンマキシマスBB弾 0.2g使用、ホップアップ適正、10発での測定、気温21.6度、湿度41.0%

パーツリスト1
パーツリスト2

実銃のP230はスイス・ドイツの複合企業SIG SAUER社の開発した中型オートマチック拳銃で、.380ACP、.32ACPなどの拳銃弾を使用するバリエーションがある。
このP230に日本警察が注目し、グリップ右上部のマニュアルセフティ追加、ランヤードリング追加などの改良をおこない、採用されたものがP230JPとなる。

P230JPは.32ACP弾を使用するのだが、いかんせん、口径が小さすぎやしないだろうか?
現在世界的に警察が使用する拳銃弾は9mm×19のいわゆる9mmパラが主流であり、その弱装弾である.380ACPよりもさらに一回り口径が小さい.7.65mm口径の.32ACPを採用するとは。
9mmパラの銃口エネルギーはおよそ360ft.lbsであり、.380ACPは約190ft.lbs、そして.32ACP弾はわずかに129ft.lbsしかない。
そして装弾数はたったの7発。
いかに携帯性が良いからといっても、ボディアーマーが手軽に入手できる昨今、私服警官や警護官はさぞや不安なのではなどと、要らぬ心配をしたりする。
拳銃弾の比較。
いずれもマルベリーフィールドから発売されているスーパーリアルダミーカート



さて、話をKSCのP230JPに戻して、ホールドオープン状態。半光沢のシルバーメッキされたアウターバレルが美しい。
パーティングラインもNC加工されて美しく処理されている。P230JPにはホールドオープンしたスライドをリリースするレバーが無く、マガジンを抜くか、弾が装填されたマガジンを再び装着し、スライドを後ろに軽く引くとスチャッと、スライドが閉塞する仕組み。
なお、ホールドオープンした状態で装弾されたマガジンを装填するとBB弾がマガジンリップからこぼれたり、スライドが勝手に閉塞することがあった。

スライドの長さは同じコンパクトカテゴリのワルサーPPK/Sより14mmほど長い。
グリップした感じも一回り大きく感じる。

グリップ上部にP230JPの特徴であるマニュアルセフティがある。マニュアルセフティはハンマーが落ちているときか、デコックしたハーフコックポジションで操作でき、セフティオンでスライドを確実にロックする。
マズル部分から滑らかな曲線で構成される優雅なデザイン。
左側面にはSIGお得意のデコッキングレバーを備える。
ファイアリングピン周りは6角ネジになっていてちょっと残念。

エキストラクターの赤いローディングインジケーターがリアルでいいアクセントになっている。
樹脂製のグリップはちょっと大柄。
スライド位置が低いのでブローバックするときに親指の付け根に当たりそうで怖い。

グリップ下部にランヤードリングが配されているのもP230JPの特徴。

マガジンキャッチはグリップ底部にある。

スライドの分解はまず、テイクダウンラッチレバーを90度回転させ、スライドを引き、スライド後部を上方へ押し上げれば取り外すことが出来る。テイクダウンラッチレバーの裏にKSCのメーカー刻印があるところが雰囲気を大事にするポリシーだとわかる。


アウターバレルはフレームに固定されているので命中精度にも貢献するだろう。チャンバー上部に可変ホップアップのレバーがあり、この小さい穴に細い棒を差し込んでホップ調整をおこなう。

マガジンは6mmBB弾を12発装填可能。
全体にスチールプレスのアウターシェルに覆われていてリアルな雰囲気。
しかし、もともとシングルカラムの薄いマガジンであるためガスのチャージ量も少なく冷えにも弱い。

マガジン前面にはフォロアーノッチがないので、BB弾は付属のローダーでおこなうか、12発くらいならば手で込めても苦にはならない。
実測重量は427g。
マルゼンのワルサーPPK/Sとの比較。

P230JPの実射性能だが、平均初速58.64m/sと、ちょっとパワーが低めだが、ストレートブローバックの固定バレルなので比較的命中精度は良い。ホップを適正にするとスウーッと弾道が伸びて気持ちが良い。

ただし、ブローバックリコイルはちょっと弱い。同クラスのマルゼン ワルサーPPK/SやWAのベレッタM84FSと比べても弱く感じる。

マルゼンPPK/Sはバッバッとスライドスピードが早く一瞬で鋭いリコイル、WAのM84FSはベキッとややPPK/Sにスピードは劣るがドシッとくる重いリコイル、P230JPはバコッと軽いイメージだ。
総評として、曲線美のデザイン、エッジの効いた綺麗な仕上げと質感はさすがKSCといったところで、P230JPという日本警察モデルはコレしかないのだから、ドラマや映画の雰囲気に浸るならばコレクションは必至。ただし、装弾数の少なさや作動性の問題からゲームには向かないだろう。しかし、私服警官風のコスプレでゲームに望むというツワモノにはぜひ使ってみてもらいたい。

2008/11/09


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